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37話 精一杯の照れ隠しと、ツンデレなブロッサムの赤い頬

Auteur: みみっく
last update Date de publication: 2025-10-22 06:00:56

「……べ、別に……嬉しかったとかじゃないですけど……。ただ、寝起きに触られるのは……その……びっくりしますわ……それに、女の子の寝顔を見るのは失礼ですわ……恥ずかしいですわっ」

 言い訳のような言葉を並べながら、ブロッサムは毛布をぎゅっと抱きしめて顔を半分隠す。耳の先まで赤く染まっていて、どう見ても動揺している。その様子は、ツンケンした態度とは裏腹に、純粋な少女の恥じらいに満ちていた。

 そらは思わず笑ってしまいそうになるのをこらえながら、そっと声をかける。彼の声には、抑えきれない優しさと楽しさが滲んでいた。

「ごめんごめん。可愛かったから、つい……」

「~~っ! そ、そらさんのばかっ!」

 毛布の中から飛び出した枕が、ぽすんとそらの肩に命中した。枕の衝撃は微かだが、ブロッサムの精一杯の照れ隠しが伝わってくる。

 ……やっぱり、朝のスキンシップはNGらしい。でも、怒ってるようでどこか嬉しそうなブロッサムの顔に、そらの心はまた少しだけ温かくなった。

 そらは諦めずに、眠っているエルのほっぺをぷにぷにっと触ってみる。その感触は、弾力があり、活発な彼女らしさを感じさせた。

「……」

「エル、おはよー」

 声をかけると同時に、エルはガバッと起き上がり、そらのお腹に抱きついてきた!

「おはよ。とーっても良い朝だね~! そらくーんっ♪」

 エルは満面の笑みでそらを見上げて、朝の挨拶をしてきた。抱きついているエルの、サラサラと朝日に照らされきらめく淡い金髪の頭を、そらは優しく撫でた。その髪は、朝の光を浴びて、まるで天使の輪のように輝いていた。

「んぅ……もっとぉーなでなでしてぇ♪」

 エルは気持ち良さそうな顔をすると、そらのお腹にむにむにと顔を埋めて呟いた。その声は甘く、心からこの触れ合いを求めていることが伝わってくる。

 ……例外もいるらしい。

 よし、次! アリアのほっぺをぷにぷにっ。その頬の柔らかな感触は、何度触れても彼を癒やした。

「おはようなのです……ふあぁ~……むにゃむにゃ……」

 アリアは瞼を半分開けたまま、眠たげな声で挨拶を返した。

「アリア、おはよー」

 そのままアリアは本能のままにそらに近づいてきて、俺の膝を枕にしてきた。まだ意識が完全に覚醒していないようで、そらの膝の上で安心しきった寝息を再び立て始めた。

 アリアの隣で寝ていたノアも起きたので、ついでにほっぺをぷにぷに。ノアの肌は昨日よりも落ち着いた温もりを伝えてきた。

「おはようなの……」

「ノア、おはよー」

 ……そしてノアまで、空いていたもう片方の膝枕にポスっと頭を置いてきた。その動作には、まったくためらいがない。おかげで、完全に動けなくなった俺。

 そらの両膝は、二人の幼い女の子の頭で占拠されてしまった。彼の顔には、諦めと、どこか嬉しそうな苦笑いが浮かんでいた。

 でも、両手が空いているから、そらは二人のほっぺで遊ぶことにした。

 彼はノアの白い頬をつまんでみたり、アリアのもちもちとした頬を引っ張ってみたり……その度に、二人から「んー」「むにゃ」といった小さな寝息交じりの声が漏れる。その柔らかく愛らしい感触は、彼にとって朝一番の最高の癒やしとなっていた。

 ようやく二人が目を開けた。ノアとアリアは、そらに頬をいじられたことで小さな不満を漏らす。

「いたいれふぅ……」

 アリアが舌足らずな声で抗議し、ノアもむうっと頬を膨らませた。

「あ、ごめん。可愛くてつい……」

 そらが申し訳なさそうに謝ると、アリアとノアの顔が赤くなって、ちょっと照れた表情になった。触れられたことへの恥じらいと、可愛いと言われたことへの嬉しさが混ざっている。……可愛い。

 そんな中、静かにブロッサムの声が響いた。彼女はすでに布団から出て、身支度を整えているようだった。

「……遊んでないで、朝食を食べるわよ」

 その声には、一切の甘えや冗談の余地がなく、厳格な統率が滲んでいた。

 ……はい、すみません。

 そらは内心でそう答え、慌てて膝の上の二人をそっと布団に戻した。

 昨日作っておいた保管庫に、夕食の余り物を入れておいたおかげで、今朝の朝食は温め直さなくても温かいまま食べられる。その保管庫の機能は、単に温度を保つのではなく、時間が止まっているため、劣化も一切しない。つまり、保管庫に入れた時の状態のまま取り出せるのだ。このおかげで、ステフの手間も減って一石二鳥だ。

 彼は一口スープを飲みながら、このチート級の能力がもたらす驚異的な恩恵を噛み締めた。

「便利すぎるな、これ」

 スープ皿に入れるだけで、すぐに食べられるのも嬉しいところだ。そらは、ステフが作ったスープを口に運び、その温かさに満たされた。

「これから町に行くけど、アリアとノアが心配だから、お昼には帰るからね」

「「「「はーい!」」」」

 ステフ、エル、アリア、ブロッサムの四人から、元気な返事が返ってきた。その明るい声を聞いて、そらの頬が緩む。やっぱりこういうの、嬉しいよな。

「何かあれば、魔法通信で連絡してね」

「はぁい!」と、アリアとノアが声を揃えて返事をする。その瞳には、そらの出発に対する理解と、彼への変わらぬ信頼が宿っていた。

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